介護元年

おはようございます。

支援センターふなばし

ケアマネジャーの佐藤寛子です。

 

 

ケアマネジャーの仕事をしていると

長く担当させていただく方もいらっしゃれば

短い期間で関わりが終了する方もいます。

 

 

担当させていただいてから

半年間という

比較的短い関わりで

施設に入所されたAさん。

 

 

半年の間に

めまぐるしく状況が変わり

ご本人はもちろん

ご家族もかなり大変だったと思います。

 

仕事をしながらも

めまぐるしい変化に適宜対応してくださったご家族にも頭が下がりますが

その渦中にいらしたAさんも

とても素晴らしかったと思うのです

 

 

 

「レビー小体型認知症」

と診断されたAさん。

 

レビー小体型認知症とは??

 

記憶障害を中心とした認知症の他に

日や時間、場所によって

頭がはっきりしている時と

ぼーっとしている時を繰り返したり

パーキンソン症状のように

手足がこわばって歩きにくくなったり

手が震えたり。

また、

実際には存在しないものが

あたかも現実として存在しているかのような

幻視が見えたりします。

 

 

 

Aさんも

手の震えや歩きにくさを感じ

できていたことが思うようにできなくなりました。

 

中でも

一番悩まされていたのは、幻視。

 

「夜になると楽団が来て、耳元で演奏し続けている。」

「窓の外から何台もの車のライトで一斉に照らされる。」

「男の人が入ってきて、自分を狙っている。」

 

 

ご家族が

「それは幻だよ。現実にはそんなこと起きていないよ。」

と言えば

「それはわかってる。」と。

 

落ち着いている時に

頭では「現実ではない」とわかっていても

見えている時は

まるで現実のように見えるのですから

怖い思いもされていたし

眠れない時もある。

 

人間の頭の中の仕業。

お薬を調整しながら

症状の軽減を図るしかありません。

 

 

 

ですがAさんは

いつも前向きでした。

 

「まさか自分がこんな病気になると思わなかった。」

そうおっしゃりつつも

「でもこれが、自分の介護元年

「これに慣れていくしかない

 

介護元年ですよ

 

長年この仕事をしていて

自分が介護を受けるようになった年のことを

「介護元年」だなんて表現する方

初めてでした。

 

 

Aさんの介護元年は

本当にめまぐるしかった。

 

ですが

ショートステイに急遽行く時も

「どんなところか楽しんできます

 

施設入所が決まった時も

「お仲間を見つけてきます

「前向きに受け止めないとね

 

その言葉通り

いろんな出来事を

いつも前向きに捉えていました。

 

 

その姿勢に

感動すら覚えた

 

 

めまぐるしい状況の中にあっても

Aさんの前向きな姿勢があったからこそ

乗り越えることができた。

 

これは、間違いない。

 

そんなAさんの姿勢から

学ぶところはたくさんあって。

自分が齢を重ねた時も

Aさんのようでありたいなぁ、と。

 

 

 

どんな時も

いくつになっても

笑顔で

前向きでさえいれば

不思議と好循環が生まれて

乗り越えられることが

たくさんある

 

そんな学びをくださった

Aさんに感謝。

 

短い期間でしたが

担当させていただき

ありがとうございました