何事も経験

おはようございます。

支援センターふなばし

ケアマネジャーの佐藤寛子です。

 

 

ケアマネとして

担当させていただいているAさんご夫婦。

 

Aさんは女医さんで開業医。

Aさんのご主人は、大学の名誉教授で

心臓外科医として、とても権威のある方。

多方面で活躍されていました。

 

Aさんが介護保険を利用することになり、担当になったことがきっかけ。

 

長いお付き合いです。

もう、8年は経つのではないでしょうか。

 

Aさんのご主人は、ケアマネジャーをしていなければ、決して知り合うことがない程に医療の世界で立場のある方で、それ故にとても博識で、月に1回お会いして、お話をするのがとても楽しみでした。

 

そして、そんなご主人のことが大好きなAさん

仲の良いご夫婦でした。

 

 

 

始めはAさんの担当として。

でも、Aさんのご主人も徐々に体調を崩され

ご夫婦の担当に。

 

そして先日、Aさんのご主人がご逝去されました。

 

 

 

Aさんには娘さんがいます。

Aさんの娘さんは、医師であり、病院を継いでいます。

今までは挨拶する程度で

要件だけ話す、といった、医師らしいドライな印象。

 

しかし、Aさんのご主人がご逝去されたことで

娘さんと話しをする機会が増えました。

 

 

昨日、初めて

座って話しをする機会がありました。

 

 

ご主人が亡くなり、その後のAさんの様子をお聞きしていると・・・

 

 

「医者をしていて、今まで何度も人の死に遭遇してきました。でも、自分の親が死ぬというのは、初めての経験。父の死を通じて、勉強させてもらいました。人の死がどこか他人事だったものが、医者として、死というものをようやく理解できた気がします。」

娘さんが涙ながらに話されました。

そして

「これからもよろしくお願いします。」と。

 

正直、驚きました。

 

そんな話をするような方ではなかったし

自分の前で涙をこぼすだなんて、想像もしていませんでした。

 

 

 

やはり、人は

何事も「経験」、と改めて感じました。

 

医師として

どれほどの知識があったとしても

患者さんの痛みや苦しみを

感じることはできない。

同じ病にかかり、同じ体験をして

その病気がどういうものかを

本当の意味で「知る」ことができる。

 

Aさんのご主人も言っていました。

徐々に弱る体を感じながら

「こうも思い通りにいかないものとは、思わなかった。」

 

 

 

経験しなければ

自分自身が体感しなければ

わからないこがたくさんある。

 

幸い、自分の両親は健在ですが

いつか、別れの時がくる。

 

仕事をする中で

「必ず人生の終わりがくる」

そういう場面はたくさん見てきたし

頭でわかっていても

考えたくないけれど

いつか、経験するのでしょう。

 

 

 

Aさん、これからもよろしくお願いいたします。

 

今日も残暑厳しく

まだまだ夏を感じられそうですね。