生きるって

おはようございます。

支援センターふなばし

ケアマネジャーの佐藤寛子です。

 

 

ケアマネジャーとして

担当させていただいているAさん。

 

Aさんの担当になってから

もう10年??11年??

今までのケアマネ歴の中で

最も長く担当させていただいているかもしれません。

 

 

担当になるきっかけ。

それは

Aさんが階段から転落し

足のすねの骨を粉砕骨折し

介護保険を利用することになったから。

 

足を切断すべきか迷うほどに骨が砕け

でも手術をし、どうにか回復。

 

そうした経過からスタートするのですが。

 

 

10年前となれば

もちろんお互い今より10歳も若い。

Aさんは冬になると

栃木の温泉に湯治に行ったりしていました。

 

ですが

段々、段々、齢を重ね。

 

Aさんのお体は、きっと、限界を迎えているのだと思います。

 

どうにか手術した足も

それだけ骨折したのであれば

神経や筋肉も相当傷ついているのでしょう。

10年経ち、痛みに悩まされます。

骨がもろくあちこち骨折したため

痛みに悩まされます。

痛みで出かけることもできなくなり

家の中を歩くこともやっとの思い。

ベッド上で過ごす日々。

 

ケアマネとして毎月1回訪問すると

いつもいろんな話をしてくださってましたが

人と会うことも煩わしくなるほどに

精神的にも滅入ってきていました。

 

 

そして、先日

訪問した際に

「何しに来たのよ」

「どうして毎月来るのよ?」

「もう来なくていいわよ!」

「ケアマネジャーって言ったって、何も私のことケアしてくれないじゃない!」

今まで見たことないほどに

苛立ちがつのっていました。

 

こういう時の自分は

冷たい人間なのかと思う程に

妙に冷静に受け止めて

いつもと変わらないトーンで

淡々と、毎月訪問する理由を説明したりします。

 

「だったらもう全部やめるわよ!」

「そしたら来なくなるんでしょ!」

 

あっさり引き下がり

退室したわけですが。

 

 

 

自分では

もうどうにもできない感情に襲われているのだと思います。

「つらい。早くお迎えが来てほしい。」

そう願っても、お迎えが来ない。

朝も昼も夜も

痛みと倦怠感との闘い。

いくら薬を飲んだっておさまらない。

早く苦痛から解放されたいのに、繰り返す毎日。

 

 

いつまでこの苦痛が続くのか

Aさんにもわからない。

 

苛立ちもするでしょう。

ご家族にもあたりたくなるでしょう。

 

 

 

数時間後

Aさんからお電話がありました。

 

「さっきのは、もう断っちゃった?」

「やっぱり、そのままでいいわよ。」

「私も言い過ぎたかもしれない。」

「さっきの話はなかったことにして。」

 

電話を切ってから

なんだか泣けてきました。

 

 

 

Aさんの

10年間の変化を見てきました。

 

生きるって、大変だ。

生きるって、自分との闘いだ。

そうしてみんな

自分なりに精一杯生きて

自分なりの生涯を終えるのですね。

 

自分はこの先

どんな人生を歩むんだろう?

 

自分なりにやりきるしかないですね。

皆さまも

美しき人生君のままで

ですよ。

 

楽しい週末をお過ごしください