おはようございます。
支援センターふなばし
ケアマネジャーの佐藤寛子です。
「施設に入る」
この仕事をしていると
そうした決断をする場面に遭遇します。
ご家族から口にすることもあれば
こちらから提案し
背中を押すこともあります。
「施設に入る」
この決断は
明るいものではないことの方が多いです。
苦渋の決断であることの方が多いような気がします。
自ら率先して喜んで選択する方に
お会いしたことがないかもしれません。
「施設に入る」
まるでそれは
姥捨て山に捨てられるかのようなイメージを持たれる方もいらっしゃいます。
「施設に入る」
なぜこれは
マイナスイメージなのか?
「施設に入る」
なぜこの選択が
「かわいそうなこと」のように表現されるのか?
自宅で暮らすことが
本当に幸せなのか?
可能な限り介護することが
本当に幸せなのか?
本人にとって
家族にとって
幸せとは何なのか?
介護とは
誰かが辛い思いをしてするものなのか?
介護とは
涙ながらにするものなのか?
介護とは
何だろう?

ケアマネジャーとして担当させていただいている
Aさんご夫婦。
ご夫婦ともに介護の認定を受けており
奥さまが、ご主人のことを
献身的に介護されています。
けれど
ご主人の状況も段々悪くなり
奥さまの体調も思わしくなく
奥さまがご主人を介護することに
いよいよ限界を迎えています。
そうして迎えた決断は
「施設にいれるしかない。」
奥さまは涙ながらに話されます。
「施設に入れるなんて、かわいそうだけど。」
「でももう、私も限界。」
「主人には申し訳ないけれど。」
「本当は家でみてあげたいけれど。」
そんな様子を
離れた場所から見ているご主人。
お耳が遠いので
聞こえていないと思います。
けれど
雰囲気で伝わっていると思います。
ケアマネジャーとして
切ない瞬間です。
奥さまのご様子も切ないし
なんとなく雰囲気で察しているご主人の背中も、切ない。
ご主人の前では
いつも明るく振る舞い
笑顔の奥さま。
とても仲良しのご夫婦ですが
段々とご主人の理解力も低下し
奥さまの言葉には抵抗するようになる。
ご主人のいない所で
「私の言うことは何も聞いてくれないから」
「すぐに怒鳴ってばかりいる」
涙ながらにそう話される。
けれど
わかっているのです。
ご主人も思うように体が動かなくなり
気持ちに体がついてこなくなり
おそらく一番もどかしいのはご主人で
おそらく一番情けないと思っているのはご主人で
「だからきっと、ああして怒鳴るしかないのね」
「自分でもおもらしするなんて嫌なんでしょうね」
と奥さま。
介護とはなんでしょう?
幸せな介護って
本当にあるのかな?
施設に入ることは
金銭的問題はあるにしろ
本当に「かわいそう」な決断なのか?
ケアマネジャーとして
施設に入所することを提案するタイミングは
本当にあっているのか?
背中を押す判断基準とタイミングは
本当にあっているのか?
お一人おひとりと
しっかり向き合わなくてはならないと
改めて考えさせられる瞬間でした。
介護って、深い。

