新たなステージ

おはようございます。

支援センターふなばし

ケアマネジャーの佐藤寛子です。

 

 

ケアマネジャーとして

担当させていただいている、Aさん。

 

ある日、突然倒れ

救急車で病院へ。

 

退院し、ご自宅に帰られるということで担当させていただくことになりました。

 

 

もともとは、

Aさんの旦那さまの担当をさせていただいており

その繋がりからAさんを担当させていただくことになったのですが。

 

そうなると

入院前のお元気な姿を知っているわけです。

何がどこにあるのかわからない旦那さまに対し

家の中のことを全て把握しているAさん。

 

旦那さまが

「あれ~?どこかな?」

なんてやろうものなら

「〇〇にあるんじゃないですか?」と。

 

それはそれはテキパキと

 

 

 

ですが

退院前に病院でお会いしたお姿は

ひと回り小さくなったご様子。

それでも気丈に

「家に帰れば大丈夫。」と。

 

 

そうして退院となるわけですが。

 

 

思うようにいかないのです。

病院と自宅では環境も異なり

ご自身で思い描いていたようにはいかない現実。

 

 

思うように体が動なかったり

転んでしまったり

食欲も落ち、さらに体は小さくなり

「家に帰りたい。」

そう思って帰ってきたけれど

とても一人にしておける状態ではなく

ご家族からは

「施設に入る話もしている。」と。

 

 

 

ケアマネジャーとして

ご本人にお話を伺う。

 

「もうちょっと自分でできると思ったんだけどね。」

「このままだと家族に迷惑をかけてしまうから。」

「やっぱり、施設に行こうかな。」

 

ケアマネジャーとして

何とも切ない瞬間。

 

 

 

「できない」ことを認めて

「できない自分」を受け入れる。

これって、なかなかに難しいことだと思います。

 

Aさんだって

退院してからがんばってみた。

がんばってみたけど・・・

 

 

ダメだった。

どうにもならなかった。

 

 

どうにもならない自分を自覚し

どこかで、あきらめる瞬間がきたのだと思います。

その時の心境たるや

それを想像すると

何とも切なくなります。

 

「齢をとるのも楽じゃないよ。」

 

そうおっしゃる皆さまのお気持ち。

自分も70代・80代になった時に

初めてその言葉の意味を理解し、実感するのだろうと思います。

 

 

 

ですが。

「できない自分」を受け入れることは

決してマイナスばかりではないと思っています。

 

こんな表現が正しいのかわかりませんが

「できない自分」を受け入れることで

そこにはまた新たなステージが用意されていて

その新たなステージの上で

その方の人生が展開されていく。

 

その新たなステージの上で

その方ご自身が

どう立ち振る舞い

どう生きていくのか。

 

 

施設入所の準備のため

ただ今、Aさんは、ショートステイ中。

職員さんに生活をサポートしてもらいながら

程よく職員さんを頼りにしながら

まずはしっかりとご飯を食べることから取り組んでいるそうです。

笑顔で過ごしているそうです

 

 

様々な葛藤を乗り越え

また一歩、次の人生のステージへ。

 

 

人生って

最期まで自分との戦いだな。

今、ある場所で

自分がどうあるか。

最期を迎えるその日まで、自分次第。