締めくくり

おはようございます。

支援センターふなばし

ケアマネジャーの佐藤寛子です。

 

 

ケアマネジャーとして

担当させていただいたAさん。

 

先日、施設に入所されました。

 

 

 

Aさんと出会ったのは、3.4年前。

 

Aさんはその頃から

他人を全く受け付けない方。

 

何か提案しても

「自分でやるから大丈夫です。」

 

 

全然、大丈夫ではないんです。

 

 

膝も腰も痛くて

自宅の階段を上り下りするのもひと苦労。

3階建ての自宅は

1階も2階も、物で埋め尽くされ

奥まで見通すことができないほど。

 

3階の部屋の

わずかなスペースで暮らしていました。

 

 

部屋の片づけを提案しても

一切触らせてもらえない。

ものすごく警戒心が強い方。

何をするにも慎重に。

お会いできなくなったら、仕事にならない。

 

 

徐々に認知症が進行していたAさん。

 

 

私が「ケアマネジャー」という役割だということもわからないし

「佐藤」という名前であることも覚えられなかったけど

顔だけは覚えてくれてた。

 

 

Aさんにお会いする時は

いつも、イチかバチか、な気分

 

 

訪問の約束しても覚えていないし

電話しても誰だかわからず警戒されるだけ。

 

 

いつも突撃訪問。

 

 

機嫌がよければ話しをしてくれるし

ご機嫌ななめだと

「あなたなんて頼んだ覚えはない。帰ってちょうだい。」

そう言って、門前払い

 

いつも

「今日は、ご機嫌麗しい日でありますように

そんなことを思いながら

チャイムを鳴らしていました。

 

 

「自分でできるから。」

 

 

生活上のトラブルも頻発し

サポートしたくても頑なに拒否。

遠方に住むご家族に

ひとり暮らしは限界であること、

施設入所を検討してほしいことを伝え続けてきました。

 

 

そんなAさんが

ついに自宅で転倒。

 

 

骨折はあったものの

入院するほどではなく自宅療養となったのですが

急に別人になってしまった。

 

 

「もうね、どうでもよくなっちゃったの。」

 

 

今までの気力や

プライドの高さはどこへやら

全く動こうとせず

一気に寝たきり生活に。

指1本触らせなかった方が

おむつ交換も当たり前。

 

 

そして、いよいよ施設へ。

 

 

出発の日。

いろんな人が出入りするから

「施設に行く」ということは理解できていた様子。

 

 

挨拶をしようと思い

ベッドサイドに行くと

 

「今までありがとうね。」

 

そう言って、

初めてAさんから手を差し出し

握手を求めてきた。

 

 

「よかったら、また来てちょうだいね。」

 

 

Aさん。

本当によくがんばりましたね。

自分を気丈に保つには

ああするしかなかったのでしょう。

 

プツンと糸が切れたように

気を張る必要がなくなったのでしょう。

 

 

最後に握手できて

よかったです。

こちらこそ、ありがとうございました。

もう、無理なさらずに

これからは

心穏やかにお過ごしいただけたらと思います。

 

 

 

12月1日ですね。

今年もあと1ヶ月ですね。

気持よく新年を迎えられるように

1年を締めくくりましょう