おはようございます。
支援センターふなばし
ケアマネジャーの佐藤寛子です。
ケアマネジャーとして
担当させていただいているAさん。
4年くらいになるでしょうか?
Aさんは会社の社長さまで
今は息子さんに事業継承されています。
訪問すると、娘様がいれてくださったお茶を
「まぁ、どうぞ、1杯やってください」
と、すすめてくださいます。
先月お会いした時は
いつもと変わらないご様子でしたが
今月始めに状態が急変し入院。
それが
今週(水)に病院から連絡があった時には
「家族が自宅で看取りたいと言っている。あさって退院します。」
さらに状況は悪化していました。
こちらも退院に向け、早急に手配。
(木)の朝、病院から再度連絡。
「さらに状況が悪くなった。今日、家に帰らなければ、もう帰れないかもしれない。これから手配し直し、調整がつけば今日帰します。」
その日の午後、Aさんは退院しました。
在宅酸素を使用して12ℓ流し
痰の吸引も1.2時間に1回
自宅に戻ったら1週間もたないと言われ
それでも自宅に帰してあげたい
家族が24時間付き添って
自宅で最期を迎えさせてあげたい。
そんな家族の、強い思い。
「このままここで、ひとりで死ぬのか?」
「そう言った父を見て、家に帰すと決めた。いつも人に囲まれてきた父。そんな父が、ひとりで最期を迎えるのはかわいそう。」
感染予防のため、面会できない。
できるのはリモート面会のみ。
ならば自宅で
大好きな家族に囲まれて。
退院当日、Aさんにお会いしました。
お子さんも、お孫さんも
みんな集まっていて
みんなで決めたルールはひとつ。
「泣いてる人は、じいじの部屋に入らない。必ず笑顔で入ること。」
8人のお孫さんが交代で
「じいじ、帰るね。また来るね~」
じいじに笑顔で声をかけて帰る。
その度に
「ありがとう!」
はっきり言葉にならない声で、満面の笑みで手を振るAさん。
3歳にならないお孫さんが
「じいじのところにいかなくちゃ」
と駆け寄る。
病院にいたら
もう少し、長生きできるかもしれない。
でも、大切なことは
長生きすることではなく
人生の終わりを、どう迎えるか。
「どう生きてきたか」
そんなことを、強く感じる時間。
まだ覚悟ができていない、と涙を流すご家族。
でも家に帰すと決めた覚悟。
それに応えた、病院の相談員さんも素晴らしかった。
退院に向け、たくさんの手配が必要な状態。
それでも
家族の思いに応えるため、動いてくださった。
相談員さんの迅速な動きがなければ、実現しなかった退院。
もちろん
「この状況では無理です。」と言い切る方もいる。
どんな場面で
どんな方とご縁が結ばれるか
それも、
Aさんが生きて、
積み重ねてきた「運」
きっと、今、この時間も
ご家族の誰かが
Aさんの隣に、笑顔で寄り添ってくれています
昨日は15日。
いつものように
事務所のお花を新しくして。
さぁ、今年の終わりも
どんどん近づいてきますね。
いい1年だったと、思えるように